朝、昼まで寝ていた。
小さな町は日差しが良く、大きな音もなく、B市のような喧騒はなかった。
顧靖澤は起き上がり、林澈にキスをして、彼女を起こした。
林澈はぼんやりと目を開け、顧靖澤が言った。「起きて顔を洗って、後で食事にしよう。」
「何を食べるの……」
林澈は眠そうに目をこすりながら尋ねた。
「ホテルに頼もう。」と顧靖澤は言った。
「ふーん……」林澈はまだぼんやりしていて、座ったまま顧靖澤を見つめていた。
顧靖澤は既に外に出て、ドアを開け、スタッフを呼んでいた。
スタッフたちは既に、ここにイケメンが宿泊していると聞いており、午前中にはホテル中に噂が広まっていた。彼の呼び声を聞いて、若いスタッフが急いでやってきた。顧靖澤を見て、確かに期待を裏切らない容姿に、すぐに「お客様、何かご用でしょうか?」と尋ねた。
「食事の注文はできますか?」
「あ、申し訳ありませんが、当ホテルにはルームサービスがございません。」
「ないんですか……」
顧靖澤はこのレベルのホテルにあまり泊まったことがなく、当然知らなかった。
「朝食は9時までとなっておりまして、その後の食事サービスはございません。」
顧靖澤は仕方なく「では、何か食べ物を注文する方法はありますか?」と尋ねた。
「デリバリーをご利用いただけます。こちらにメニューがございます。」
「そうですか、ありがとうございます。」
顧靖澤がドアを閉めると、外のスタッフは口を押さえて飛び跳ねながら、出て行って「本当にかっこいい、本当にかっこいい、フロントの人は嘘を言っていなかった」と伝え歩いた。
顧靖澤はメニューを持って戻り、その内容を見て少し不思議そうだった。
林澈はベッドに座って「何があるの?」と聞いた。
「ホテルには食事サービスがないんだ。」
林澈は呆れて「あなたの家の七つ星ホテルみたいに、ホテル内にレストランがあって、いつでも素晴らしい五つ星の料理が作れて、中華も洋食も何でも揃っているとでも思ったの?このような小さなホテルにはないのよ。」
さっき食事の注文について尋ねた時、スタッフはきっと不思議に思ったことだろう。なぜルームサービスを求めるのかと。
顧靖澤は「でも、これをくれた。何か食べたいものがないか見てみて。」と言った。
林澈は頷いた。デリバリーなら、彼女はよく利用していた。