第559章 私はファッションにはあまり興味がない

林澈と秦綰綰は一緒に立ち、主催者は意図的に二人を同じ場所に押しやり、笑いながら「さあさあ、仲が良いんだから、もっと近づいて、親密に」と言った。

仲が良い？

林澈は主催者の考えを知らないわけではなかった。おそらく話題作りを狙っているのだろう。

でも林澈は気にしなかった。比較されるなら比較されればいい、彼女は比較を恐れていなかった。

どうせ彼女は、自分と秦綰綰との間に比較の余地がますますなくなってきていると感じていた。演技でも、イメージでも、今の各自の発展に伴い、ますます確立されてきており、以前のように方向性が定まっていなかった時のように、二人のイメージが似ているということもなくなってきた。今では林澈はますます中性的で庶民的な方向に、一方秦綰綰は国民的女神様のような柔美路線を歩んでいた。

二人が並んで立つと、秦綰綰はじっと林澈を見て「今日の服、いいわね」と言った。

「うん、あなたもよ」と林澈は答えた。

秦綰綰は「でも、あなたが『微力』を撮ったことがないって聞いたわ。マネージャーに問い合わせてもらうべきよ。あなたほど人気があるのに、『微力』すら撮ってないなんて、おかしいわ」と言った。

林澈は「いいの、もともとファッションとかにあまり興味ないし、撮ってないならそれでいいわ」と言った。

秦綰綰は本来彼女を当てこすりたかっただけだったが、彼女のそういう反応を見て、表面上は何も言わなかったものの、心の中では冷ややかに得意げな気持ちが湧き上がってきた。

その後、秦綰綰は好奇心に満ちた様子で林澈に尋ねた。「そういえば、今日は寄付するものがあるって聞いたけど、何を寄付する予定なの？」

「うん、家にあるアクセサリーをいくつか」

「アクセサリー？きっと高価なものでしょうね」と秦綰綰は尋ねた。

林澈は「そうでもないわ。これって、私たちが使わないものを寄付して、ファンに買ってもらうっていう趣旨でしょう」と答えた。

秦綰綰はそれを聞いて呆れて言った。「まさかそんな話を本気で信じているの？私たちには特別な金持ちファンなんていないわ。私たちの物を買いたがる人なんて。他の物だって、せいぜい数十万くらいよ。自分で前もって人を手配して、ファンのふりをさせて、自分で買い戻すようにしない限りね」