莫惠苓も当然お腹が空いていた。林澈は途中でラーメンを一杯食べたが、莫惠苓は何も食べていなかった。
今、お腹がグーグー鳴りながら歩いていくと、林澈がコーンパンを手に取って食べ始めるのが見えた。何かわからない料理と一緒に、美味しそうに食べていた。
しかし、莫惠苓はどうしても口に入れる気になれなかった。
彼女は怒りながらそれらを見て、「これは何なの?めちゃくちゃな物ばかりで、こんなに汚くて、見た目も悪くて、どうやって食べられるの」と言った。
林澈は彼女を一瞥して言った。「食べたくないなら食べなくていいじゃない。誰も無理強いしてないし、食べなければお腹が空くだけでしょ」
莫惠苓はフンと鼻を鳴らした。
しかし、またお腹がグーグーと鳴り出した。
仕方なく、真っ黒なコーンパンを手に取り、端の方に行って一口かじった。本当に飲み込むのが難しく、変な味がして、どうやって飲み込んだのか自分でもわからなかった。
その女性は二人を見ながら尋ねた。「あなたたち、大都会から来たの?」
林澈は答えた。「私たちはB市から来ました」
「B市ね、まあ、きっとすごく大きな街なんでしょうね。彼女がここを気に入らないのも無理ないわ。私たちの村はこの辺りで一番遅れているところだから」
林澈は女性を見ながら尋ねた。「じゃあ、なぜ出て行かないんですか?」
「出て行く人もいるけど、帰ってこないわ。私たちみたいな年寄りや病人、家族持ちは、技術もないし、どう生活していいかわからない。大都会は人を食う場所だって聞くし。お金持ちのあなたたちは生きていけるでしょうけど、私たちには無理。行けば餓死するか物乞いするかよ。ここなら、少なくとも家があるでしょう」
誰かがそう言ったのか、それともそういう考えが根付いているのか、林澈はそれ以上何も言わず、ただ笑って言った。「機会があれば試してみてもいいですよ。どっちみち、ここはあなたたちの家なんだから、うまくいかなければ帰ってくればいい。家はここにあるんだから」
「あなたたちの着ている服を見てよ、こんなに綺麗な人たち。私たちが行ったら物乞いになるしかないでしょう。あなたたちの街を歩くのも恥ずかしいわ。あっちの街は皆あなたたちみたいに綺麗なの?」
「お姉さん、褒め上手ですね。そんな風に話せるなら、B市でも飢えることはないですよ」