「こうやってお腹を押さえると、少し痛みが和らぐらしいわ」
喬綿綿は実際そこまで痛くはなかった。今の痛みは彼女が我慢できる範囲内だった。
でも、なぜか。
墨夜司があんなに心配そうにしているのを見て、思わず甘えてしまった。「うん、痛い...」
墨夜司はそれを本当だと信じた。
「ちょっと待っていて、すぐに戻るから」
彼は立ち上がってドアの方へ歩き出した。
「どこに行くの?」
彼がすでにドアのところまで来ているのを見て、喬綿綿は声をかけた。
墨夜司は足を止め、ドアを開けながら言った。「黒砂糖のお湯を作ってくるよ。少し我慢して、すぐに戻るから」
*
墨夜司がドアを開けて出ていったところ、雷恩が喬宸を連れてやってきた。
彼を見て、喬宸は急いで彼の前まで歩み寄った。「義兄さん、姉さんはどこ?」