第226章 思わず彼に甘えてしまった

「こうやってお腹を押さえると、少し痛みが和らぐらしいわ」

  喬綿綿は実際そこまで痛くはなかった。今の痛みは彼女が我慢できる範囲内だった。

  でも、なぜか。

  墨夜司があんなに心配そうにしているのを見て、思わず甘えてしまった。「うん、痛い...」

  墨夜司はそれを本当だと信じた。

  「ちょっと待っていて、すぐに戻るから」

  彼は立ち上がってドアの方へ歩き出した。

  「どこに行くの?」

  彼がすでにドアのところまで来ているのを見て、喬綿綿は声をかけた。

  墨夜司は足を止め、ドアを開けながら言った。「黒砂糖のお湯を作ってくるよ。少し我慢して、すぐに戻るから」

  *

  墨夜司がドアを開けて出ていったところ、雷恩が喬宸を連れてやってきた。

  彼を見て、喬宸は急いで彼の前まで歩み寄った。「義兄さん、姉さんはどこ?」