老太太が綿綿をこんなに気に入っているのを見て、墨夜司は唇の端を楽しげに上げた。「おばあさん、彼女がいいと思うなら、お土産をあげるべきじゃないですか?」
「この子ったら」
おばあさまは彼を睨みつけたが、目には溺愛と慈愛が満ちていた。「おばあさんがそんなことも分からないと思ってるの?安心しなさい、あなたの嫁に損はさせないわ。おばあさんはもう用意してあるのよ」
先ほど執事が報告に来た後、おばあさまはすぐに人にお土産を持ってこさせた。
それは彼女が早くから用意していたものだった。
何年も前から用意していたが、渡すことができなかった。
大切な孫が不思議なことに女性に興味を示さず、長年独身を通してきたため、おばあさまは心配していた。
用意した贈り物を渡せなくなるのではないかと恐れていた。