その若い顔は極めて美しく、しかし少しも青臭さを感じさせなかった。眉目には落ち着きがあり、眼差しは少し冷たく、鋭さもあった。その人物の雰囲気と気質は、彼の本来の年齢とはまったく不釣り合いだった。
蘇澤も若手エリートの中では優秀な方だった。
しかし墨夜司と並ぶと、瞬時に見劣りしてしまった。
一気に数段階も格が下がってしまった。
蘇澤は驚いた目で彼を見つめ、耳には張會長が先ほど言った言葉が響いていた。
年齢が若く、容姿が際立って優れており、能力が卓越し、ゴルフが特に上手い。
そして彼らが今いる場所は、まさにゴルフ場だった。
さらに、陳會長が先ほど見せた恭しい態度を思い出し、彼が否定したあの推測が再び浮かんできた。
彼はショックを受けたかのように、顔に信じられない表情を浮かべて言った。「墨さまは墨氏のどの部署でお仕事をされているのでしょうか?また、どのようなポジションを担当されているのでしょうか?」
彼はどうしても、目の前のこの墨姓の男性が墨氏の新しく就任した社長であるとは信じられなかった。
たとえ、彼のあらゆる条件が張會長の先ほどの描写に非常に合致していたとしても。
墨氏の新任社長を、喬綿綿が知り合える機会はないはずだ。
ましてや、あんなに親密な態度で一緒にいることなんてあり得ない。
陳會長はずっと傍らで観察していた。先ほど墨夜司が自ら紹介を切り出したのを見て、彼が蘇澤と交友を持ちたいと思っているのだと考え、二人を互いに紹介しようと思った。
蘇家の若者も、彼が見るところ悪くない。
彼は気に入った若者なら、一押ししてあげたいと思っていた。
少し考えてから、陳會長は笑顔で言った。「小蘇ちゃん、こちらは墨社長だよ。」
蘇澤の表情が一瞬で変わった。
「墨社長?」
「そうだよ、墨社長は...」
陳會長がもう少し詳しく紹介しようとしたが、隣の人物がさらりとした声で言った。「墨氏のほんの小さな部署にすぎません。特に言及するようなことではありません。陳會長、ここまでで結構です。私はこれで失礼します。」
言い終わると、墨夜司はそのまま二人を通り過ぎ、脇の駐車場へ向かって歩き出した。
蘇澤はその場に数秒立ちすくんだ後、墨夜司が近くに停めてあるランボルギーニの側まで歩いていくのを見て、突然追いかけた。