第627章 あなたたちこそが家族で、私は他人

「家に問題が少ないと思って、何か問題を起こさないと気が済まないの？」

「おばあさま、怒らないでください。」墨時修はおばあさまが怒って体調を崩すことを恐れ、すぐに立ち上がってお年寄りの側に行き、背中を優しく叩きながら言った。「これは誤解だったのですから、説明して解決すれば良いのです。」

「母上。」墨時修はおばあさまを落ち着かせた後、顔を上げて墨奥様を見つめ、眉をひそめながら言った。「弟の嫁を誤解されているはずです。私は弟の嫁の人柄を信じています。この件はここまでにして、もう言及しないでください。弟の嫁は墨家に嫁いだ以上、私たち墨家の一員です。今後は『部外者』という言葉は使わないでください。」

墨時修は長年上位者の立場にあり、若くしてA国の国防部の要職に就いていた。彼が真剣に物事を語る時は、墨奥様でさえこの長男を少し恐れていた。

しかし、彼女はこれだけの人の前で面子を失いたくなかった。

姑として、自分の嫁が路上で元カレと引っ張り合っているのを見て、少し質問するのがどうして悪いのか？

それを問うのは当然ではないのか？

どうしてこの嫁は、逆に被害者面をしているのか。

誰に見せるための演技なのか。

彼女と息子の仲を裂こうとしているのか。

墨奥様は喬綿綿が計算高い女だと確信していた。息子を手玉に取り、勝手に結婚してしまったのだと。

この件について、非常に不快に思っていた。

おばあさまがいなければ、このような嫁を簡単に受け入れることは決してなかっただろう。

このような腹黒い女を墨家に入れることなど、あり得なかったはずだ。

彼女は喬綿綿を計算高く、善良でない女だと決めつけていたため、当然喬綿綿の行動すべてが意図的なものに見えた。

すべてが深い計算の表れだと。

まさにあの言葉の通りだった：人を嫌いになると、その人のすることすべてが間違って見える。

特に今、二人の息子とおばあさまが喬綿綿の味方をしているのを見て、喬綿綿への嫌悪感がさらに深まった。

この女は墨家に嫁いで間もないのに、もう家庭の調和を乱している。

これから先、どんな手段を使って、この家をさらに不安定にするか分からない。