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翌日の早朝。
雲城に戻る最初の便に乗る墨夜司と喬綿綿は早くに起床した。
身支度を整え、二人は階下で朝食を済ませた後、墨夜司は喬綿綿を撮影現場まで送った。
車内で。
墨夜司はパソコンを開き、移動時間の30分を利用して昨日処理しきれなかった書類を処理した。
喬綿綿は携帯を取り出し、一分一秒を惜しんでエンターテインメントアプリをスクロールしていた。
墨夜司は二つの書類を処理し終え、眉間をさすりながら彼女の方を向くと、彼女が携帯に夢中になっているのを見て、自分も覗き込んでみた。
「今から一緒に編んでみない?」
喬綿綿は顔を上げた:「さっきの動画、見てたの?」
「ああ」墨夜司は軽く頷き、口角を上げながら言った。「あれがロマンチックだと思う?私たちも二つ編んでみない?」
先ほど喬綿綿がとてもロマンチックだと感動していた動画は、あるアプリで最近流行っている動画だった。
ブレスレットを編む動画だった。
動画の中で、女の子が自分の髪を少し切り、その髪を赤い紐に編み込んで、編み上がった赤い紐を相手の手首に付けるというものだった。
この女の子の髪の毛が入ったブレスレットを付けた男性が、もしその女の子を裏切ったら、永遠に不幸になるという。
お互いの愛を証明するために、多くのカップルがこのような赤い紐を編んで、動画を投稿していた。
喬綿綿がアプリを開いた途端、似たような動画が何本も表示された。
本当にロマンチックだと思ったから、そんな感嘆の声を上げたのだ。
まさか、墨夜司に聞かれていたとは。
「墨夜司、そのブレスレットには特別な意味があるって知ってる?」
墨夜司は首を振った:「知らない。ベイビー、教えて」
喬綿綿は彼の目を見つめ、真剣に言った:「それは女の子の髪の毛が入ったブレスレットで、あなたがこのブレスレットを付けて、もし相手を裏切ったら、永遠に不幸になるの」
「今でも、そのブレスレットを編みたい?」
「永遠に不幸?」墨夜司は面白そうに眉を上げ、繰り返した。
喬綿綿は頷いた:「そう、永遠に不幸」
彼は笑いながら、彼女の顎を軽く撫でた:「どう、怖くなった?」
喬綿綿:「??」
彼女には何も怖いことはない。
永遠に不幸になるのは、彼の方なのだから。
結局、ブレスレットは男性が付けるものだし。