第683章 なんだか、どこか変だと思う

「どういたしまして。早く食べてください。そのうち氷が溶けてしまいますから。他の人にも配らなければならないので、先に失礼します」

アシスタントはそう言うと、袋を持って他の人たちの方へ歩いていった。

冷やした緑豆スープを、夏に一杯飲むと、どれほど気持ちがいいことか。

喬綿綿は他の人にも配られているのを見て、自分だけのために買ってくれたわけではないと分かり、安心して箱を開けて食べ始めた。

彼女が美味しそうに食べている時、近くの大きな木の下に停まっている黒いベントレーに気付かなかった。

車の窓が半分下がっていた。

車内に座っている男性は気品があり端正な容姿で、高貴で凛とした雰囲気を漂わせ、深く冷たい瞳で喬綿綿の方へ歩いていく男を見つめ、その眼差しが沈み、周囲に冷気を放っていた。