第75章 巨獣の体内にクリアクリスタルがある

巨獣は怒りの咆哮を上げながら首を下げて脚にしがみついた花豹さまに噛みつき、太く長い尾を地面に叩きつけて石ころを飛び散らせた。

  パーカーは機敏に巨獣の脚の後ろに回り込み、その尾をつかんで背中に飛び乗った。

  白箐箐の緊張していた心がわずかに緩んだ。この光景は少し見覚えがあった。まるで異世界に来た最初の日、パーカーが狼の群れから彼女を救った時の戦いを思い出させた。

  敵が強くても、パーカーが主導権を握っていた。

  パーカーは巨獣の後頭部を猛烈に噛み付き、四本の爪で巨獣の粗い毛皮にしっかりとしがみついた。体は激しく振り回されて、何度も振り落とされそうになった。しかし彼はすぐにコツを掴んだ。それは決して口を離さないことだった。

  脊椎動物の脊椎は全身をコントロールする神経が集中している。パーカーがどこを噛んだのか分からないが、巨獣は突然体を崩し、巨大な体が轟音と共に地面に倒れ込んだ。

  巨獣は体を動かすことができなくなったが、首はまだ動かせた。地面に横たわったまま口を乱暴に動かして噛みつこうとした。

  パーカーはかえって噛みつきにくくなった。簡単に巨獣の口に噛まれそうで、仕方なく巨獣から離れ、周りをぐるぐると回った。

  白箐箐は首にかけていた赤い髪に絡まったヘビの鱗に触れ、それを外して彼らの方に歩み寄った。

  「パーカー!」

  「ワウーン!」パーカーは白箐箐が近づいてくるのを聞いて急に振り返り、頭で白箐箐のお腹を押して、彼女を数歩後退させた。

  白箐箐は慌てて言った。「これを試してみて。カーティスの鱗よ。とても鋭いわ。」

  パーカーはうろこと赤い髪を見て、歯を見せて笑うと、人間の姿に戻ってそれを受け取った。白箐箐に忠告するのも忘れなかった。「絶対に近づかないでくれ。」

  白箐箐は何度もうなずいた。「ここにいるわ。」

  パーカーは巨獣の後頭部の方から近づき、電光石火の速さで巨獣の首に手を伸ばした。

  巨獣の皮は鎧のように厚く、鋭さだけでは傷つけることはできないはずだった。しかしパーカーの力は強大で、小さなうろこ一枚で瞬時に巨獣の首を切り裂いた。

  「ガオー!」巨獣は悲鳴を上げ、激しく首を振った。