第029章 倚翠軒、秦亦凡

そのため、市場価格が得られれば、顧寧は満足だった。

  その後、顧寧はネットで「倚翠軒」という百年の歴史を持つ玉器の老舗を見つけた。規模は大きくないが、評判は非常に高かった。

  なぜなら、この「倚翠軒」の店主はF市玉石協会の会長で、「倚翠軒」の玉器や翡翠の品質は比較的正確で、価格も合理的で公平だったからだ。

  そこで、これを見た顧寧は「倚翠軒」という百年の歴史を持つ玉器店に行くことに決めた。

  もちろん、彼女は「倚翠軒」についてよく知らないので、ネット民が言うように合理的で公正かどうかを断定することはできなかったが、一般的な宝石商よりも「倚翠軒」を信じる方が良いと思った。

  どちらにしても、彼女はおおよその価格を知っていたので、相手が提示する価格が不合理だと感じたら、売らなければいいだけだった。

  「倚翠軒」の本店は骨董品市場にあるが、大きな商業施設にも支店があった。

  そして今、顧寧は市の中心にある商貿ビルにいたので、すぐに商貿ビルの「倚翠軒」に向かうことにした。

  情報を確認し、携帯電話と翡翠をバッグに戻し、食事をした。

  食事を済ませた後、「倚翠軒」に向かった。

  宝石類はビルの2階にあり、宝石店がたくさんあったので、顧寧は少し探してから「倚翠軒」を見つけた。「倚翠軒」の店舗はそれほど大きくなく、約50平方メートルで、内装はレトロなスタイルを主としており、店員はみなチャイナドレスを着ていた。

  顧寧が入店すると、すぐに案内係が接客に来た。彼女が学生だからといって軽視することもなく、礼儀正しく対応してくれたので、顧寧はすぐに「倚翠軒」に好感を持った。

  「お嬢様、どのような種類の翡翠をお探しでしょうか?ご案内させていただきます。」と案内係が言った。

  「こちらで一番良い翡翠は何ですか?」と顧寧は尋ねた。

  「当店で最高級の翡翠は老坑ガラス種です。その質感は細かく純粋で欠陥がなく、色は純正で、明るく、濃厚で、均一な翠緑色です。次に良いのは上級品のスミレです。しかし、品種が稀少で原石が限られているため、当店のアクセサリー完成品はそれほど多くありません。ご希望でしたら、オーダーメイドも承ります。」と案内係は説明した。