第062章 賭け金を踏み倒すつもり?

その時、原石鑑定師が一刀を入れると、皆が息を呑み、目を凝らしてその機械を見つめていた。

  しかし、切り落とされた部分が剥がれ落ちると、露出したのは黄色と白色の石で、表面と同じように緑色は全く見えなかった。

  途端に、皆が失望の表情を浮かべた。なんと表面だけが緑だったのだ。

  「いいえ、ありえない、ありえないわ······」最も受け入れられないのは黎真真だった。確かに古坑氷種のヒスイだったはずなのに、どうしてなくなってしまったの!

  「切って、もっと切って······」黎真真は少し狂乱したように叫んだ。

  原石鑑定師は切り続けたが、相変わらず白い石ばかりだった。

  黎真真は魂を抜かれたかのように、そこに立ち尽くし、動かなかった。

  負けた、彼女は負けたのだ。