第174章 520号個室

これを見ると、冷少霆の身分は本当に並々ならぬものだということがわかる。

  王任康は入ってくるなり、顧お嬢様に向かって笑顔を作って言った。「顧お嬢様、こんにちは。私は派出所の副所長の王任康です。本当に申し訳ありません。部下が目が利かなくて、あなたを不快な思いをさせてしまいました。今すぐに出ていただけます。学校までお送りしましょう。」

  王任康が態度を低くしたので、顧寧も威張らず、それなりに丁寧に言った。「学校までの送迎は結構です。私は不快な思いはしていません。ただ、この件が最後まできちんと解決されることを望みます。ただ権力という一言で解決されるのではなく。」

  そう言いながら、顧寧は机の上の紙を取り、王任康に渡した。王任康は慌てて受け取った。

  顧寧は続けて言った。「あなたたちは私を尋問していませんが、私はすでに事の経緯を、ありのままに書き記しました。嘘は一切ありません。信じられないなら、調べてみてください。私には非はありますが、情状酌量の余地はあります。ただ妹を守るためだけです。」