顾宁がそう言うのを聞いて、冷少霆は嬉しくなり、顾宁が自分の物を自分のものにすることを全く気にしませんでした。「はい、では祖父の代わりに受け取らせていただきます。」
その後、二人は別荘に戻りました。
すぐに、賭石街で誰かが帝王綠翡翠を発見したという話が広まり、皆が羨ましがり妬みました。
別荘に戻ると、また食事の時間となり、やはり冷少霆が自ら料理を作りました。
顾宁は生理中だったので、冷少霆は彼女に何も触らせませんでした。生理中でなくても、冷少霆は彼女に料理をさせようとはしませんでした。それほど彼は彼女を大切にしていたのです。
冷少霆の料理の腕前は本当に素晴らしく、元々自分の料理の腕前は悪くないと思っていた顾宁でしたが、冷少霆の料理を食べてみると、彼女よりもずっと美味しいことに気づきました。
食事中に、冷少霆の携帯が鳴りました。徐景琛からの電話でした。徐景琛は、明日の午後2時にオークションがあるので、参加してみないかと尋ねてきました。
顾宁はそれを聞いて喜び、冷少霆に承諾させ、さらに徐景琛に枠を一つもらえないか聞かせました。彼女にもオークションに出したい品物があったのです。
もちろん、顾宁が品物をオークションに出すのはお金のためではなく、ただ楽しむためでした。
「妹よ、君も骨董品を持っているのか!どんな物なんだ!」徐景琛は興味深そうに尋ねました。
顾宁は少し考えて言いました。「官窯筆洗です」
顾宁はただ楽しむだけなので、あまり高価な物を出品したくなかったのです。
「よし、枠を取ってくるよ」徐景琛はあっさりと承諾しました。骨董品についてよく分からなかったので、この官窯筆洗の由来や真贋についてはあまり詳しく聞きませんでした。
徐景琛は顾宁が偽物を出品するはずがないと信じていましたし、たとえ出したとしても、オークション会場の鑑定士による鑑定が必要で、それに合格してはじめて出品できるのです。
もちろん、鑑定士も一目で分かるわけではないので、時々贋作が出ることもあります。なぜなら、贋作の技術があまりにも高度で、多くの専門家でも見分けがつかないことがあるからです。しかし、オークション前には出品希望者に直接確認させ、見誤った場合は自己責任となり、オークション会場は一切の責任を負う必要がなく、評判も損なわれることはありません。これは業界の規則なのです。