第341章 青銅剣と青銅短劍

徐さんに会った時、また驚いた。徐さんも来ているとは思わなかった。

「蒋さん」と陳達榮は来客を見て即座に挨拶したが、蔣仲宇は陳達榮に構う暇もなく、目は終始テーブルの上のスーツケースに注がれていた。

蔣仲宇はスーツケースの前に来ると、すぐに青銅器の鑑定を始めた。

徐さんがすでに鑑定し、蔣仲宇も本物だと信じていたが、それでも自ら鑑定せずにはいられなかった。それは一種の楽しみの過程だったからだ。

蔣仲宇が本物だと鑑定した後、舌打ちしながら言った:「まったく、今や青銅器は貴重なものだな!」

青銅器自体が貴重というわけではなく、歴史的価値のある古墳の多くが発掘され、出土した骨董品はすでに国立博物館に収蔵されているため、民間では珍しくなっているのだ。

博物館に収蔵されたものは見るだけで、民間から購入したものだけが自分のコレクションにできる。

皆はこれらの骨董品が全て本物だと聞いて、驚きを隠せなかった。骨董品店に本物があるのは普通だが、これほど多くの本物があるのは珍しく、しかも蒋さんという名声の高い専門家が直接鑑定したものだ。この情報が広まれば、必ず人々が評判を聞きつけて来て、蒋さんが鑑定したこれらの骨董品を買うだろう。

時として、骨董品を収集するのは、それが本物だからというだけでなく、その品物を鑑定した人の名声のためでもある。有名な専門家が鑑定した骨董品を買うことで、収集家は面目を保つことができるのだ。

「どうですか、気に入ったものはありましたか?」と徐さんが尋ねた。

「この青銅短劍は気に入りましたが、残念ながら、私が特に欲しい器具ではないのです」と蔣仲宇は失望というよりも、少し残念そうに答えた。

「では、蒋さんはどのような器具を特に欲しいのでしょうか!」と顾寧が尋ねた。彼女は多くの青銅器を持っており、もしかしたら蔣仲宇の欲しいものがあるかもしれない!

もし本当に蔣仲宇が特に欲しいものがあれば、彼女は喜んで提供するつもりだった。

蔣仲宇は顾寧の声に従って彼女に目を向け、若い女性を見て、徐さんと一緒に来たのだろうと思い、徐さんの方を見て尋ねた:「この方は?」

「彼女は『祥雲軒』の新しい店主で、顾寧と言います」と徐さんが答えた。