第436章 彼女はとても凄いのよ

しかも、これは餘姿にとって百利あって一害なしだった。服飾デザインを学ぶ人は多く、才能のある人も大勢いる。有名なファッションデザイナーなら、顧寧が欲しければ簡単に手に入れられるのだから。

ただ、今たまたま、餘姿のデザインが彼女の目に留まっただけだった。

『風華エンターテインメント』設立後は、イベントにしても、テレビや映画の撮影にしても、衣装が必要になる。だから自社で立ち上げるのが一番便利だった。

一つのアパレル会社の下には複数のブランドがある。餘姿が同意すれば、『美貌』はドレスに特化し、彼女自身が管理することになる。

ドレス以外にも、顧寧は男女のカジュアルウェアや時代衣装も作りたかったが、それらは急ぐ必要はなかった。

顧寧が餘姿に高額な年俸ではなく株式を提供しようとしたのは、マネージャーが必要だったからだ。餘姿のことはよく知らなかったが、少なくとも曹文馨の友人なので、見知らぬ人よりは信頼できた。

それに、『美貌』のドレスは餘姿が立ち上げたものだから、『美貌』は餘姿の子供のようなもの。自分の子供を自分で管理する方が、他人より熱心になれるはずだ。

顧寧の話を聞いて、餘姿は非常に驚いた。顧寧が提示したこの条件は、彼女にとって天から降ってきた幸運のようなものだった!もし『美貌』を成功させる能力があれば、自分でやりたいと思うが、問題は彼女にその能力がないことだった。

しかし、相手があまりにも若いため、本当にできるのかと疑問に思わずにはいられなかった。

でも、たとえうまくいかなくても自分には損害はないので、餘姿は試してみたいと思い、確認のために尋ねた:「顧お嬢様、本当におっしゃっているんですか?」

「何の話をしているの?」ちょうどその時、曹文馨が戻ってきて、この言葉を耳にし、餘姿の真剣な表情を見て、好奇心から尋ねた。

顧寧も曹文馨に隠すことなく、簡単に説明を繰り返した。曹文馨は聞いても特に驚かなかった。なぜなら顧寧は既に彼女の心の中で強大なイメージを確立しており、顧寧が何をしても成功するように思えたからだ。そこで餘姿に勧めた:「餘姿、寧寧は若く見えるけど、とても優秀よ。私は彼女を信じているわ。」