黒い気が三番目に漂う場所に来ると、顾寧は意外なことに気づいた。そこには墓室などなく、約10平方メートルほどの洞窟があるだけで、中は混乱状態で、地面には遺骸が散乱し、ほとんど腐食した兵士の衣服が散らばっていた。
形を留めているのは、馬も車輪もない馬車だけだった。
顾寧が馬車の中を透視すると、20インチほどの紅木の箱があり、その中には通貨と陶磁器が入っていた。量は多くなかったが、かなりの価値があるものだった。
顾寧は考えた。これらの人々は通りがかりの人々のようだが、なぜ突然ここで死んでしまったのだろうか。
顾寧にはわからなかった。これ以上推測しても真相は分からないし、その真相は彼女とは何の関係もないのだから。
夜光珠が現れ、周囲の殺気を徐々に吸収していった。
顾寧はその紅木の箱を空間に収納し、その場を去った。
顾寧が中にいた時間は長くなく、10分も経っていなかった。
顾寧が出てくるのを見て、江博文たちはようやく安堵したが、心配のあまり江博文は厳しく諭した。「お前、どうしたんだ。中がどれだけ危険か分かっているのか!もしそこにたくさんのゾンビがいたらどうする?お前がどんなに強くても、一人でそんなにたくさんのゾンビと戦えるわけないだろう?」
江博文が心配してくれているのは分かっていたので、その叱責に不快感を示すことなく、むしろ少し申し訳なさそうに答えた。「江市長にご心配をおかけして申し訳ありません。でも、何も問題なかったでしょう?私は誰よりも命を大切にしています。自信のないことは軽々しく手を出したりしません。」
「お前は...」江博文は言葉に詰まった。顾寧がそこまで言うなら、もう何も言えなかった。
「そうそう、中には遺骸の山がありましたが、ゾンビはもういませんでした。」と顾寧は言った。
ゾンビがいないと聞いて、みんなはようやく安堵のため息をついた。
「どうやってここのことを知ったんだ?」と江博文は尋ねた。
「ヘッドラインで見ました。解決方法を知っていたので、来ました。」と顾寧は答えた。
「ネット上の投稿は既に削除され、テロリストの追跡で鉱山に入ったという説明が出されている。この件については、人々のパニックを避けるため、秘密にしておいてほしい。」と江博文は注意を促した。