真相がどうであれ、唐馨蕊の身元に問題があることが確認された以上、顾宁は全明楷に報告する必要があった。その後の対応は全明楷に任せることにした。
顾宁はすぐに全明楷に電話をかけた。
「お嬢様、何かご用でしょうか?」と全明楷は尋ねた。
「私の友人に唐德明の行動を監視してもらっていたんですが、数日前に彼があるヴィラを訪れていたことがわかりました。そのヴィラの所有者は御社の財務部門の唐馨蕊なんです……」顾宁はKが調べた情報をすべて全明楷に伝えた。
全明楷はその話を聞いて少し驚いたものの、特に意外な考えは浮かばなかった。
なぜなら、大きな企業グループなので、唐德明が自分の部下を配置していることは珍しくなく、その一部については彼も知っていたからだ。彼が驚いたのは、この唐馨蕊が黒幕と関係している可能性があるということだけだった。