218 罪の証拠

彼女のような純粋で優しい娘は、もっとふさわしい相手に託されるべきだ。彼にとって、女性は有ってもなくてもいいもので、妻も単なる肩書きに過ぎない。

　　どんな女性も同じだと、彼は自分に言い聞かせた。もう本当の感情を理解することはないだろう。

　　彼にとって、感情を抱くことは弱点を作ることに他ならず、それこそが致命的だ。

　　名家のような是非の地では、彼女のような白紙のように純粋な女性には適していない。

　　しかし今、彼には息子がいることを知った。そして、この愚かな女性の丹精込めた育児の下で、息子は驚くほど優秀に育っていた。

　　これは彼に少し頭を悩ませることになった。

　　ベッドの傍らに座り、慕雅哲は雲詩詩の静かな横顔を見つめ、深い思考に沈んだ。

　　……

　　深夜、雲天佑は眠れなくなった。

　　パジャマ姿でベッドから起き上がり、暇を持て余して、雲詩詩のことが気がかりで寝返りを打ち眠れなかったので、机に向かい、意地になって高校数学の問題集を一冊解いた。

　　パソコンを開くと、メールボックスが「ピンポン」と鳴った。クリックして開くと、以前李翰林に調査を依頼した資料だった。

　　陸景甜、名前は確かに綺麗だが、心根はなんて悪辣なんだろう。

　　佑佑は静かに見つめ、白い指先が規則正しく机を叩いていた。何かを真剣に考えているようだった。

　　先ほど慕雅哲のところで、彼は胸に溜め込んだ不満でいっぱいだった。今、ママの音沙汰がないことで、さらにイライラしていた。

　　そのため、今はこの女性のことを気にする余裕はなかった。

　　しかし、メールボックスを閉じようとした瞬間、李翰林からさらに数通のメールが届いた。今度は、ホテルから入手した数本の監視カメラの映像だった。

　　ホテルのような場所では、監視カメラの映像は秘密裏に保管されており、警察が直接現場に来ない限り、一般人には閲覧する権限がない。

　　李翰林がどんな手段で手に入れたのかは分からなかった。

　　映像を開いてみると、ホテルの廊下で陸景甜が一人の女性を殴打している場面が映っていた。