328 破格の待遇

「その前に、まずこの混乱を片付けてから、他のことを話そう」と季臨が冷ややかに言った。

秦舟は一瞬また憂鬱になった。

昼時、秦舟は雲詩詩と君墨の三人で簡単に昼食を済ませ、会社で少し昼休みを取った。

君墨は本革の椅子に座り、快適な角度に調節して目を閉じて休んでいた。

秦舟は雲詩詩を連れてかんう本社ビルを案内し、階層ごとに説明していった。

かんう本社は雲を突くように高くそびえ立ち、非常に壮観で、50階もの高さは仰ぎ見るばかりだった。

雲詩詩にとって、この世界が注目するエンターテインメント王国をこれほど間近で見学するのは初めてだった。

かんうは傘下に二大映像制作会社と三大メディアを持ち、映画、ドラマ、音楽など、すべてを一手に担う巨大なエンターテインメント王国が、このビル全体で運営されていた。

名高いスター育成工場として、かんうと契約している芸能人は、誰一人として知らない者がいないほどの有名人ばかりだった。

現在の芸能界で、四大新進女優、四大時代劇俳優、楊芈、韓語嫣、顏冰清、李久賢、路君宇……これらの話題の名前は、すべてかんうの所属タレントだった。

かんうはもはや単なる一里塚ではなく、エンターテインメント業界を独占する巨人となっていた。

秦舟は彼女を練習室、レコーディングスタジオ、面接ホールに案内し、さらにかんう傘下の著名なプロデューサーや監督たちに紹介した。

雲詩詩の上品で優雅な物腰は、多くの人々に深い印象を残した。

この新人に対して、誰もが大きな期待を寄せていた。

続いて、秦舟は彼女にかんうの待遇について大まかに説明した。

待遇は...予想以上に優遇されていた。

契約上の報酬比率は非常に良好だった。

一般的に、かんうと契約する芸能人は、報酬比率において、新人時期は研修面とプロデュース面を考慮して、通常は会社7、タレント3の比率だった。

しかし彼女の場合は、五分五分の配分だった。

どういうことか?

例えば:『青果』という映画の出演料で例えると、顧星澤とかんうの契約は6対4の配分で、出演料五千万円のうち、会社が二千万円を差し引き、残りの六割、つまり三千万円が彼の手元に入る計算になる。

これは既にかんうの最高待遇だった。

一方彼女の場合、出演料五百萬円のうち、五割、つまり二百五十萬円が彼女の手元に入る。