「その前に、まずこの混乱を片付けてから、他のことを話そう」と季臨が冷ややかに言った。
秦舟は一瞬また憂鬱になった。
昼時、秦舟は雲詩詩と君墨の三人で簡単に昼食を済ませ、会社で少し昼休みを取った。
君墨は本革の椅子に座り、快適な角度に調節して目を閉じて休んでいた。
秦舟は雲詩詩を連れてかんう本社ビルを案内し、階層ごとに説明していった。
かんう本社は雲を突くように高くそびえ立ち、非常に壮観で、50階もの高さは仰ぎ見るばかりだった。
雲詩詩にとって、この世界が注目するエンターテインメント王国をこれほど間近で見学するのは初めてだった。
かんうは傘下に二大映像制作会社と三大メディアを持ち、映画、ドラマ、音楽など、すべてを一手に担う巨大なエンターテインメント王国が、このビル全体で運営されていた。