そこで、雲詩詩は顧星澤にメッセージを送り、李蘭について行った。
帝宮は、飲食、レジャー、エンターテイメントを一体化した高級施設で、カラオケ、バー、ジム、カフェなど、設備が充実している。
仕事でも会議でも、すべての飲食や娯楽がここで済ませられる。
中でも、帝宮の中華料理店は非常に有名で、優雅な内装を誇り、その看板は名声と結びついており、平均的な一食でも2、3品で数百から千元ほどかかる。
それでもなお、大変な人気を誇っている。
そのため、予約なしではなかなか席が取れず、特に今は食事のピーク時で、客足が激しい。
しかし、李蘭にとって席を予約することは簡単なことだった。
予約の電話を一本入れると、店長が特別に雰囲気の良い個室を用意してくれた。柔らかな照明、ガラス窓、真珠のカーテンが、とても古典的な趣を醸し出していた。
雲詩詩は普段それほど食べないのだが、今は非常に空腹で、メニューに並ぶ多くの美味しそうな料理を見ると、その魅力的な見た目だけで食欲をそそられた。
空腹になればなるほど分別がなくなり、何を見ても食べたくなる。気がつけば、テーブルいっぱいに料理を注文していた。
次々と運ばれてくる美味しそうな料理を見て、雲詩詩は箸を持ちながら、本当に心配になってきた。
先ほど値段をちらっと見たが、一品で数百元もする。これだけの量なら、数千元は下らないだろう。
李蘭も少し驚いた様子で、いっぱいのテーブルを見つめながら、箸を持つ手も少し固くなり、笑いながら尋ねた。「本当にそんなに空腹なの?」
雲詩詩も少し困ってしまった。
李蘭は退勤前に軽食を取っていたので、それほど空腹ではなく、また食欲もそれほどないため、数口食べただけで満腹感を覚え、彼女の為に料理を取り分け始めた。
雲詩詩は美味しそうに食べていた。この中華料理店は「一番」の看板に恥じない。精緻な料理は確かに極上の味わいで、人を虜にする。
彼女も本当に空腹だったので、今は李蘭の前でも矜持ある姿を保つことなど気にしていられなかった。
彼女は集中して食べ、気づかないうちにテーブルの料理の大半を平らげていた。
李蘭はただそんな彼女を見つめ、ただ見ているだけでも心が和んだ。
いわゆる「秀色可餐」とはこういうことだろう!
美しい人が何をしても、見ていて楽しいものだ。