385 生理用品を買ってあげる

雲詩詩はトイレで焦りながら待っていたとき、突然外から物音が聞こえ、すぐにトイレのドアが静かにノックされた。

しかし、響いたのは男性の低い声ではなかった。

「雲さん、社長の命令で物をお届けに参りました！」

話したのは、優しい女性の声だった。

雲詩詩がドアを開けると、スーツ姿の随行アシスタントがいて、彼女の手には大きなスーパーの買い物袋が提げられており、思わず顔が赤くなった。

「これ、あなたが買ったの？」

「いいえ、これは全て慕社長が買われたものです！雲さん、慕社長は本当にあなたを大切にされていますね。普通の男性なら、こういった用品を自ら買いに行くことなんてありませんよ」

雲詩詩はその言葉を聞いて、心が甘くなり、彼女から受け取って中身を確認すると、思わず苦笑いしてしまった。

こんなにたくさん？これ、賞味期限があるのに…

中身を確認していると、突然上質な綿製の可愛いパンティーが出てきて、顔が熱くなった。自分の下着が汚れていたことを思い出したが、まさか彼がそこまで気を遣ってくれるとは…

「彼はどこに？」

女性は微笑んで答えた：「慕社長のことですか？この後、取締役会議があるので、おそらく遅くなります。先に休んでいてくださいとのことでした」

取締役会議と言っていたが、実際は山でドライブして気持ちを落ち着かせに行ったのだ。

「そう、そんなに忙しいんですね…」

雲詩詩はシャワーを浴び、着替えを済ませてからタクシーで家に帰った。

柔らかいキングサイズのベッドに横たわり、気持ちよさそうにごろごろと転がった。

突然何かを思い出したように、ドレッサーの前に座り、可愛らしいピアスを見つめながら、唇の端を上げた。

満足げにピアスに触れてから、電気を消して眠りについた。

この夜、雲詩詩はとても安心して眠れた。

……

翌日、雲詩詩は早くから会社に到着した。

昨日一日休んで研修クラスに戻ってくると、なんとなく雰囲気が少し違っているように感じた。

なぜか、クラスの研修生全員が彼女に対してとても丁寧になっていた。

特に江雨童は、彼女を見かけると逃げるように避けていった。

これはこれでいい、少なくとも耳が静かになった。

夕方。

雲詩詩が家に帰ると、ドアを開けた途端、リビングの温かな光が彼女を包み込んだ。

「ただいま！」