415 2人の可愛い坊やがすれ違う

「佑佑は大きくなってから、もっとママを守れるようになって、誰にもいじめさせないよ」

佑佑は雲詩詩の腕を抱きしめながら、甘く言った。「どんなことがあっても、佑佑はずっとママを年を取るまで守るよ!誰がママをいじめても、佑佑は許さない!ママ、これからもし誰かにいじめられたら、必ず佑佑に言ってね。佑佑が仕返ししてあげるからね!」

雲詩詩は嬉しそうに微笑んで、頷いたが、彼のその言葉をあまり真剣には受け止めなかった。

子供の無邪気な言葉だと思っただけだった。

そうして、雲詩詩とちびっ子ちゃんがおとぎばなし谷パークに着いた時には、すでに昼になっていた。

入口の列は午前中より少なくなっていたが、それでもまだ長蛇の列が続いており、熱気は少しも衰えていなかった。多くの観光客が他の省や市、さらには国からはるばる訪れ、チケットを買って次々と入場していた。

列は午前中ほど広場全体を埋め尽くすほどではなかったものの。

正門越しに、遊園地内の人の波が見えており、おとぎ話の谷テーマパークの人気の程が窺えた。

雲天佑がおとぎばなし谷パークを特に選んだ理由は、一つには、めったにないママとの外出なので、評判の良い場所を選んで、ママにもこの貴重な休暇を利用してリラックスしてもらいたかったから。

もう一つは、彼が樂智会社の株主としてここを視察に来たかったからだ。

雲天佑はおとぎ話の谷の入口に立ち、園内の装飾に目を走らせ、心の中でその欠点を静かにまとめてから、雲詩詩に手を引かれてVIP通路から入園した。

おとぎ話の谷は建設されてから既に2年の歴史があるが、1年前まではその評判は他のテーマパークと比べて完全に見劣りしていた。

しかし雲天佑は、テーマパークにはビジネスチャンスが無限にあり、うまく開発すれば、テーマパークが会社にもたらす効果は非常に客観的なものになると考えていた。

そこで、彼は株主として、李翰林の同行のもと、密かに調査を行い、ゲームのデザインや設備の大規模な導入から、N.E集団との協力交渉まで行った。数ヶ月後、第二期工事が完了すると、おとぎ話の谷はまるで蘇生を迎えたかのように、その名声は一気に広まった。