523 衣装の獣……

慕雅哲は彼女を見下ろし、彼女の顔に浮かぶ恥じらいと嗔りを余すところなく見つめ、彼女を無遠慮にドアに押し付け、手のひらを彼女のスカートの中に滑り込ませた。

「やめて……」雲詩詩は驚いて声を上げた。

佑佑がいつ帰ってくるかわからないのに、この男は何をしようとしているの？

彼女の耳元に寄り添い、慕雅哲は邪悪に彼女の真珠のように白い耳たぶを弄びながら言った。「詩詩、君が欲しい！」

温かい息が彼女の頬を撫でた。

彼は彼女の名前を優しく呼び、甘やかすような口調で、密やかな求愛の意味を込めて。

まるで彼女を喜ばせようとしているかのように。

詩詩……

この男は滅多に彼女をこう呼ばない。

今、このような口調で彼女の名前を呼ばれ、一瞬にして抵抗する力を失いそうになった！

この男は、どんな女性でも抵抗できなくなってしまうような術を持っている！

彼女が我を忘れている間に、男の手はさらに未知の領域へと深く進んでいった。

雲詩詩は彼の悪戯する手をしっかりと掴み、怒りを帯びた声で言った。「やめてよ？」

「やめる？」

慕雅哲は彼女の言葉遣いに少し不機嫌になった。ただ彼女のことが恋しくて仕方がないだけなのに。

今夜の予定は、イギリスのロンドンへの直行便。明日の買収案件は、帝昇財團にとって極めて重要で、何としても成功させなければならない案件だった！

しかし、この出張で半月も帰って来られない。

丸々半月もこの女性に触れられないと思うと、心の中で名もなき火が燃え上がった。

簡単に彼女の抵抗を振り切り、手のひらは一気に深く潜り込み、体を密着させた！

彼女の抵抗を無視して、彼の動きは荒々しくなり、瞬く間に彼女の服を肩まで脱がせた。

雲詩詩は驚きと怒りで、もがく動きも激しくなった！

彼女は感情がないわけではない。ただ、佑佑がもうすぐ帰ってくるかもしれない。帰宅したら最初にすることは、必ず彼女と甘い時間を過ごすこと。

もし子供にこの場面を見られたら……

そんな気まずい状況を想像すると、雲詩詩は顔が熱くなり、男を睨みつけた。

暗闇の中、男は彼女の警告的な眼差しを完全に無視し、再び彼女にキスをした。

今度のキスは先ほどの優しさや穏やかさはなく、少し切迫した意味を帯びており、まるで彼女を飲み込んでしまいたいかのようだった！