第556章 それなら大きく賭けましょう

この二日間。

『奇妙な夫』が正式に上映を終え、最終的に二十億円に迫る好成績を収め、唐寧もその非凡な興行収入の動員力を示し、二本の映画の累計で、現在の人気の興行女王となった。

『おろかな弟子』と『奇妙な夫』は彼女の優秀な女優としての基礎を築いた作品となり、今回の飛天獎は受賞できなかったものの、多くの人々の心の中で、間違いなく最優秀新人女優にふさわしい存在となっている。

もちろん、飛天獎の競争は依然として激しく、葉嵐のファンたちは至る所で唐寧を中傷し、その背後には墨おじいさんの介入があったと考えている。誰も自分の推しが他人より劣っていることを認めたくないのだ。葉嵐は人格的には最悪だが、演技に関しては確かに文句のつけようがない。これが彼女のファンが納得できない主な理由だ。

「今回他の人が受賞するならまだしも、唐寧なら絶対に納得できない。だって唐寧と葉嵐の演技は、優劣をつけられないはずだから。」

「最近の賞はどんどんレベルが下がっている。明らかに裏工作があるじゃないか。」

この数日間、誰が新人賞を獲得するかについての議論が多く、今回は最も見どころがあり、競争も最も激しい。人々は唐寧が関わる場面では、まるで見世物を見るような心持ちになることに慣れてしまったようだが、引退を表明した女優に、どんな資格があるというのだろうか?

「引退した女優に賞を与えるのは、現役で頑張っている人たちへの皮肉でしかないと思う。」

「引退については何も言うことはない。誰にでも自分の選択がある。でも...賞は、真面目に演技を続けている人に与えるべきでしょう。」

唐寧の引退について、実は外部からの声は早くからあった。

彼女の作品は続々と世に出ているが...引退は結局のところ、彼女が女優という役割を一時的に、あるいは長期的に放棄することを意味している...

...

深夜、宋妍書は自宅で一人酒を飲みながらテレビを見ていた。エンターテインメントニュースでは今回の飛天獎の予想を放送しており、彼女の目には陰りと嘲笑が浮かんでいた。

「唐寧は今回、賞を取れないだろう。」

突然、背後から冷たい声が聞こえ、宋妍書が振り返ると、婚約者の姿があった。すぐに「なぜ?」と問い返した。