医者は老人の選択に不思議な思いを抱いていた。孫娘に対してこれほど冷酷な祖父を見るのは珍しかった。
しかし、これは家族の選択であり、医者が責任を負う必要はない。ただ、唐萱母子を救助する際に最善を尽くせばよかった。
それに、祖父と孫がどれほどの確執があれば、実の祖父がこのような言葉を口にするのか、想像もつかなかった。
それは、彼女が唐萱の憎むべき点を本当に知らなかったからだ!
……
さらに30分の焦りに満ちた待機の後、今度は夏玉玲も唐しから病院に駆けつけ、唐萱の現状について尋ねた。「まだ出てこないの?」
唐老は椅子に座り、物思いに沈んだ表情で、しばらくしてから頷いた。「もしかしたら、出てこないかもしれない……」
「お父様……」夏玉玲は驚いて唐老を見つめた。老人が唐萱に対してここまで冷酷になれるとは、とても信じられなかったからだ。
「天の災いはまだ許せるが、自業自得は救いようがない」
老人の言葉が終わるや否や、手術室の自動ドアがゆっくりと開いた。医者が直接出てきて、老人と夏玉玲に向かって言った。「危機は脱しました。ご家族の方々にはご安心いただけます。母子ともに無事です!ただし、赤ちゃんはまだ7ヶ月なので、保育器で管理する必要があります。看護師が処置を終えたら、無菌室で面会できます」
「ありがとうございます!」
「母体は非常に衰弱しているので、今後は栄養補給に気をつける必要があります。看護師が病室まで搬送します」
この言葉を聞いても、老人は無表情のままだった。というより、あの悪事を重ねた女のことを気にかけることを、自分に禁じていたのだ。
「お父様、唐萱を見に行きませんか?」
「必要ない。もうすぐ寧ちゃんが来る。私は曾孫を見に行く」
唐老は唐萱にいかなる機会も与えるつもりはなかった。それは彼女が悪事を重ね、その罪状が数え切れないほどだったからだ。
夏玉玲は頷いた。唐寧が来るということは、彼女が唐萱と清算する準備ができているということだ……そのため、夏玉玲も病室の女性のことには触れず、静かに老人の後に従った。これが唐家の子孫である以上、もちろん粗末には扱わない。しかし……この子供が再び唐萱と接触する機会を与えることは、絶対にないだろう。
……