第28章 ワンマン社長

「坊ちゃんが初めて人物画を描いたんだね。」陸霆驍は寧夕の手にある絵を見て言った。

  「本当?それは光栄です!」寧夕はとても嬉しそうだった。

  「お昼は何が食べたい?」陸霆驍が聞いた。

  どうやらここに住むだけでなく、食事まで提供してくれるようだ……

  寧夕が口を開こうとした時、突然彼女の携帯が鳴り出した。

  常莉からの電話だった。

  またエキストラの仕事を押し付けられるんじゃないだろうか?

  「もしもし、常さん。」

  「寧夕、今日の正午12時に『天下』の開機式があるわ。明珠グランドホテルよ。遅れないでね。」

  「え?正午12時?今日の正午12時ですか?」

  「そう、今日よ。」

  「常さん、なぜ事前に教えてくれなかったんですか?もう11時近くですよ!」

  「どういうこと?1時間前に連絡したでしょ?」