第54章 「お姉さん」と一言

翌朝。

　　寧夕が出かけた後、陸霆驍は心配になって陸景禮に電話をかけた。

　　「撮影現場に誰かを付けてくれ」

　　「お兄ちゃん、お姉さんがいじめられるんじゃないかって心配？実はこれらは全て成功への道のりで経験しなければならないことだよ。彼女に鍛えさせた方がいいんだ！これらを経験しなければ、将来一人前になれないよ！」陸景禮は陸霆驍が普段自分を教育する時の口調を真似た。

　　陸霆驍：「彼女には必要ない」言外の意味は、自分が守るということだ。

　　陸景禮：「……」ふーん。

　　実の兄の差別待遇に、陸景禮は心の中で悲しくなった。

　　昔、お前は何も言わずに俺を盛世のあのめちゃくちゃな状況に放り込んで、誰にも助けさせなかった時は、こんなこと言わなかったよな、と思った。

　　「わかったわかった、すぐに誰かを張り付けて見張らせるよ！彼女の髪の毛一本だって失われないことを保証する！」