夕方、寧夕は戦利品を手に陸邸へと直行した。
老管家が玄関先で花に水をやっているのを見て、寧夕は急いで挨拶をした。「管家おじいちゃん、ちびちゃん寶物はどこ?」
老管家は黒いテールコートを身にまとい、蝶ネクタイを整然と結び、寧夕を見て丁重な態度で言った。「小夕さん、お帰りなさいませ。坊ちゃまは庭園で絵を描いておられます。」
「あら、絵を描いてるのね。じゃあ邪魔しないでおくわ。陸さんは?」
「若旦那は上の階におられます。」
「わかりました、ありがとう!」寧夕は楽しげに階段を上っていった。
老管家は少女の活力に満ちた後ろ姿を見つめ、複雑な心境だった。この期間の付き合いで、彼がどれほど用心深くても、この少女に好感を持たずにはいられなかった。
美しくて愛嬌があれば、どこに行っても歓迎されるのは当然だが、彼女が行動に分別があり、若旦那に対して不適切な意図を見せたことは一度もなく、むしろ多くの場合、自分の外見にあまり気を使わないことが珍しかった。
女性が男性に対して意図があるかどうかは、実はとても簡単に見抜けるものだ。一日二日は隠せても、長い間となると絶対に隠せない。
同様に、男性が女性に対して意図があるかどうかも簡単に見抜ける。
他の人は知らないかもしれないが、彼は最初から最後まで見ていたので、最もよく分かっている。若旦那はこの少女に明らかに非常に気を配っていた。彼女が住んでいるその客室は実は若旦那が自ら設計し、ベッドシーツやカーテン、そして棚いっぱいの服や装飾品まで一つ一つ自ら選んだものだった。それだけでなく、彼女が来た初日から、彼女の食事の好みを一つ一つ厨房に指示し、彼女が遅く帰ってくるたびに必ず食事を取っておくよう…このような細かい配慮は枚挙にいとまがない…
たとえ彼女が坊ちゃまの命の恩人だとしても、若旦那のこのような細やかな気遣いは少し行き過ぎているように思えた。
実際、少女の身元さえ潔白なら、若旦那と結ばれても悪いことではないだろう。この少女が住み始めてから、若旦那はますます人間味を帯び、坊ちゃまもますます明るくなった。彼は幼い頃から若旦那と坊ちゃまの成長を見守ってきたので、それを目の当たりにして自然と喜んでいた。