第107章 恋する男

寧夕は本来、自分でお金を払うつもりだった。小包子ちゃんへのプレゼントのつもりだったが、こんな厄介な状況になるとは思わなかった。

この服は本当に気に入っていた。本来小包子ちゃんのものになるはずだったのが、應芳琳のような人に奪われると思うと全身不快になり、結局陸霆驍さんからもらったブラックカードで支払うことにした。

寧夕がカードを出した瞬間、販売員と二人の女性は呆然としてしまった。

販売員はこの業界で見聞が広いので、すぐにこのカードを認識した。應芳琳と金萱萱は実物を見たことがなかったが、そういう界隈の女性は生まれつきこういうものに敏感なので、すぐにこれが「カードの王」と呼ばれる世界限定の無制限ブラックゴールドカードだと分かった。

このカードは非常に敷居が高く、年会費も驚くほど高額で、世界中で受けられるサービスも一流だ。公開発行されておらず、申し込むこともできず、プラチナカード所有者の中から1%の顧客を選んで招待するため、お金があっても手に入らない。このカードを持てるのは各国の政治家、億万長者、社会の名士だけだ。