第176章 私が変えるのは会社

応接室。

　　寧夕が現れるのを見て、常莉は予想通りの得意げな表情を浮かべた。「私たちの寧スターがようやく姿を見せてくれたわね！随分待たせてくれたじゃない！」

　　そう言いながら、寧夕の側にいる無表情の男を奇妙そうに見て、「この人は誰？会社に無断で部外者を連れてくるのはダメだって知らないの？」

　　寧夕は彼女を横目で見て、「私の弁護士よ」

　　「へえ、弁護士まで付けてるの！」常莉はそれを単なる威勢を張るためのものだと思い、軽蔑的に鼻を鳴らした。「こんな状況になってもまだ私に威張ってるの？あなたがどれだけ大きな失敗をしたか分かってる？私が何度も会社に頼んで助けなかったら、とっくに干されてたわよ！」

　　寧夕は眉を少し上げ、軽く笑った。「ふん、あなたが私のために頼んでくれた？じゃあ常さん、その結果はどうなの？」

　　常莉は彼女にスピーチ原稿を投げた。「これから会社は記者会見を開くわ。あなたがその会見で公開謝罪して、自ら『天下』の撮影チームを降りれば、雪落様は大人の対応をして訴訟を起こさないで、あなたに更生のチャンスを与えてくれるわ。ただし、あなたのような品性の悪い芸能人は、私がどんなに庇っても、きっと使ってくれる撮影チームはないでしょうね」

　　常莉は一つ叩いた後、飴玉を一つ与えるように、真剣な表情で言った。「でも、落胆しないで。本当に反省するなら、会社もあなたを見捨てたりしないわ。一部の監督はスキャンダルを気にしないのよ。ほら、私はもうあなたに別の作品を取ってきたわ。ちゃんと頑張れば、再起のチャンスはあるのよ！」

　　寧夕は笑うでもなく笑わないでもない表情で彼女を見つめ、意味深な口調で言った。「大作ね……常さんが私に取ってきたのはどんな大作なの？」

　　寧夕が釣られたのを見て、常莉は嘲笑うように彼女を一瞥し、そして口を開いた。「私があなたを騙すと思ってるの？『春風の笑み』は聞いたことあるでしょ？」

　　寧夕は指で肘掛けを軽くたたきながら、「蔣鵬海の新作？」

　　「そうよ、まさに蔣監督！あなたも知ってるでしょ、蔣監督が撮った映画で当たらないものはないわ。彼が港町で映画を撮っていた頃、郭啟勝はまだどこにいたか分からないくらいよ！」