第177章 予想外の逆転

「契約解除したいの？」常莉はついに表情を変えたが、すぐに落ち着きを取り戻した。「寧夕、契約解除で私を脅すのはやめなさい。違約金がいくらか知ってる？会社との契約はあと4年あるわ。1年200万、合計800万よ！」

寧夕は隣の弁護士に目配せした。

弁護士は無表情で黒いカバンを取り出し、開くとサラサラと現金が詰まっていた！

寧夕はカバンを常莉の前に押し出した。「ここに800万あります。数えてみますか？」

「あなた...」常莉は目を見開いてその現金を見つめた。「どこからそんなにたくさんのお金を...？」

寧夕は不機嫌そうな表情で、「それはあなたには関係ないでしょう？」

「ふん、寝て稼いだんでしょ！何を偉そうに！800万で十分だと思ってるの！」常莉は言い終わると、分厚い契約解除書類の束を投げつけた。明らかに準備していたようだった。

寧夕は書類を受け取り、ちらりと目を通すと、笑いが込み上げてきた。「常さん、私がそんなに価値があるなんて知りませんでしたよ？」

6000万の違約金！この女、強盗でもするつもりか？

彼女は知っていた。契約解除はそう簡単ではないと。こいつらは必ず彼女を困らせようとするはずだと。

常莉は再び落ち着き払った様子に戻った。「これは我々のプロの弁護士が評価したものよ。契約書には明確に書かれているわ。800万の違約金の他に、今回のあなたの件で会社に与えた損失も含まれているの！

あなたのせいで、我々のプロジェクトは中断し、投資は止まり、我々の最も稼ぎのある俳優が重傷を負った...全部合わせて、これが最低限なのよ！このお金が払えないなら、裁判所で会いましょう！」

寧夕はそれを聞いて眉をひそめた。この陳弁護士の実力がどの程度なのか、対処できるのかどうか分からなかった...

陳弁護士はただ書類をちらりと見ただけで、相変わらず冷静な表情で、何の感情も読み取れなかった。