第211章 彼と一緒になりたいの?

江牧野は落胆した表情で、かすれた声で苦しそうに口を開いた。「彼と一緒になるつもりなのか?」

  「まさか!」寧夕は彼を横目で見た。「そのくらいの分別はあるわよ」

  江牧野は眉をひそめた。「そういう意味じゃない。君が悪いとは言っていない。ただ、陸霆驍という人物は計算高くて危険すぎる。陸家の環境も君には合わないと言っているんだ……」

  「兄弟、そんなに持ち上げてくれてありがとう。自分がどんな人間かは、自分でよくわかっているわ」寧夕は彼の言葉を遮り、表情はすでに完全に普段通りに戻っていた。「安心して。心が動いたからといって理性を失うわけじゃない。自分が何をしているか、何をすべきかわかっているわ」

  江牧野は彼女の言葉を聞いても少しも嬉しくなかった。むしろ胸の中に水を含んだスポンジが詰まっているような、言い表せない重苦しさを感じた。「君がどんな人間だって?君は真面目で努力家で向上心がある。表面上は不真面目で無神経に見えるけど、実際はとても繊細で愛憎がはっきりしている。君は最高の、君に最もふさわしい人に値するんだ!」