第212章 もしかして元カレ？

陸霆驍はその言葉を聞いても目を瞬きひとつせず、薄い唇から冷たく三文字を吐き出した。「破棄しろ。」

陸景禮はまるで冷水を浴びせられたかのように感じた。「えっ？天の助けがあるのに！それでも聞く耳を持たないの？」

陸霆驍の表情はさらに冷たくなった。「もう一度言わせるのか？」

実の兄が本当に怒っているのを見て、陸景禮は慌てて鶏がコーンをつつくように何度も頷いた。「はいはい...破棄します...破棄します...」

ああ、兄のことをどう言えばいいのか分からない。小夕夕ちゃんの前以外では、いつも原則を重んじすぎて、少しも融通が利かない！

でも、自分は違う。口では同意しているが、心の中では本当に破棄するつもりはない。

ちっ、こっそり取っておこう...

いつか役に立つ日が来るはずだ！

陸景禮がため息をついていると、突然小さな影が風のように2階から駆け降りてきて、外へ走っていった...