その後、寧夕はゆっくりと身を乗り出し、男の唇から1センチの距離で止まった。
うーん……
キスする?しない?
これが問題だ。
「人の弱みにつけ込んで、こんなことをしていいのかしら?」
「でも、自分から私のベッドに来たのはあなたでしょ?私のせいじゃないわよね?」
「それに、前回あなたは私を噛んだじゃない!」
「ああ、私は一体何をしているの!本当に色欲に目がくらんでる!頭がおかしくなってる!」
……
寧夕は長々とつぶやいた後、結局おとなしく横になった。
隣の男の硬直した体がようやくリラックスした。それと同時に、心の中には深い失望感が広がった。
このように途中まで挑発されて中途半端な感じは本当に……
しかし、次の瞬間、腕の中でおとなしく横になっていたはずの少女が突然動き、そして二枚の温かく柔らかい唇が不意に彼の唇に強く押し付けられた……
その滑らかな舌先が致命的に彼の唇をなめ、歯が試すように何度も噛み、さらに大胆にも彼の口を開けようとした……
冷静な陸霆驍でさえ、この時はほとんど平静を失いそうだった。
このように強引にキスされて、ただ横たわったまま主導権を取り戻せない感覚は、先ほどよりもさらに悲惨だった!
少女のキステクニックは本当に下手で、完全に無秩序になめたり噛んだりしているだけだったが、それでも彼の下腹部は一瞬で火がついたようになった……
キスの後、寧夕は口を拭い、ようやく満足げに横になり、独り言のようにつぶやいた。「頭がおかしくなってもいいわ!こんないい機会、キスしないなんてもったいない!これで少なくとも人生に悔いはないわ!」
これを聞いて、陸霆驍は怒るべきか笑うべきか分からなかった。
たった一回のキスで人生に悔いがないだって?
愛しい人よ、あなたの人生の目標は本当に低すぎる。
私があなたにあげたいものは、もっとたくさんあるんだ……
陸霆驍にキスした後、寧夕はますます眠れなくなり、手を伸ばして携帯電話を取り、ウェブページを開いてエンターテイメントニュースを閲覧した。