第326章 パオちゃんとのデート

顏如意は最初、表情に迷いがあったものの、最後には坊ちゃんのために頷いた。「霆驍さんには内緒よ。知られたら、また怒り出すわ!」

「あの女に惑わされているのよ!候補者が決まったら、すぐに見合いをさせるわ!あんなにたくさんの優秀な少女がいるのに、あの女に及ばないはずがないわ!」

……

会社を出た後、寧夕はそのままアパートに戻り、ベッドに横たわってエンタメニュースを見ていると、突然見知らぬ番号から電話がかかってきた。

彼女は怪訝そうに電話に出た。「もしもし?」

電話の向こうから、堅苦しい男性の声が聞こえてきた。「もしもし、寧夕様でいらっしゃいますか?」

「はい、そうですが、どちら様ですか?」寧夕は不思議そうに尋ねた。

「陸家の執事の邢武と申します。本日、ご主人様とお婆様がご用事で、坊ちゃまがお一人でいらっしゃいます。寧様、お時間がございましたら、お屋敷にいらっしゃいませんか?」

寧夕は鯉の跳ね返りのように飛び起きた。「はい!大丈夫です!すぐに伺います!」

電話を切った後、寧夕はすぐに部屋中を引っ掻き回し始め、ほぼすべての服を引っ張り出して、どれを着ようか何度も迷っていた……

その様子は、まるで彼氏に会いに行くよりも大げさだった……

最終的に、自分と坊ちゃんが共に好きなスタイルの服を選んだ。モダンなデザインに程よいレトロ要素を加えたもので、デザイナーは有名ではないが、寧夕は常にその熱心なファンだった。

彼女の服装の選び方はいつもこうだった。好きなものにお金の価値はない。必要な場面以外は、ブランドにこだわらず、自分の好きなものだけを着る。

屋敷に着くと、30代くらいの執事らしき男性が彼女を本館へと案内した。

寧夕が玄関に入るや否や、ふわふわした小さな旋風が急いで駆けてきて、彼女の胸に飛び込んできた……

「かわいい~」寧夕はすぐに腰を曲げて小包子ちゃんを抱きしめた。いつものようにキスをしようとしたが、他人がいることを考慮して我慢した。

小夕おばさんからのキスが来ないことに気づいた小包子ちゃんは、がっかりして小さな頭を垂れた。

小夕おばさんが今回キスしてくれなかったのは、自分が何か悪いことをしたから?もう好きじゃなくなったから?他にもっと好きな子供ができたから?