第375章 優劣つけがたし

周りの美食評論家たちの様々な評価を聞きながら、食事に夢中になっている小桃ちゃんは、もぐもぐしながら言った。「すごい!全部美味しすぎて、選べないわ!夕ねえさん、あなたはどう思う?どれが一番美味しいと思う?」

寧夕は顎に手を当てて、じっくりと考えてから言った。「確かに甲乙つけがたいわね。デザートと前菜に関しては、西洋料理は中華料理より優位に立っているわ。ダニエルさんのこれらのデザートは芸術品のように繊細で、味も素晴らしいわ。でも中華料理のメインディッシュの方が少し上かもしれないわ。さっきある美食ジャーナリストが言っていたように、中華料理には人情味があるの。料理の名前を聞くだけでも分かるでしょう?それぞれの料理名には特別な意味が込められているのよ……」

小桃ちゃんは何度もうなずいた。「そう言われてみれば本当にそうね。優劣をつけるのは難しいわ……」

温かく和やかな雰囲気の中、美食がもたらす至福の時間の中で、宴会は徐々に終わりに近づいていった……

……

宴会が終わった後、寧夕はトイレに行き、小桃ちゃんは外で待っていた。

SNSに夢中になっていると、突然誰かが声をかけてきた。「すみません、寧さんのアシスタントさんですよね?」

小桃ちゃんが顔を上げると、意外にもホテルのオーナーだった。「はい、馮社長、何かご用でしょうか?」

「ああ、実はこれは寧さんへの気持ちばかりのものなんですが、よろしければお受け取りいただけませんか?」馮社長は熱心にゴールドのカードを差し出した。

小桃ちゃんはそのカードを一目見て、「これは?」

馮社長は説明した。「これはロイヤルデュークホテルのプラチナカードです!私どものホテルには3種類のカード、シルバー、ゴールド、プラチナがありまして、プラチナカードが最上級のものです。最大40%オフの割引だけでなく、最高級のサービスを受けられます。ホテルではプラチナカード会員専用のVIPルームと個室を常に確保していますので、いつお越しになっても必ずお席をご用意できます!」

小桃ちゃんは驚きの表情を見せたが、冷曼雲の下で働いていた経験から、あまり喜びすぎた様子は見せなかった。過度に興奮した態度を見せれば、寧夕の評価を下げることになりかねないことを知っていたからだ。今の彼女は自分だけでなく、寧夕本人も代表しているのだから。