第387章 大魔王のスキルがレベルアップした!

陸崇山は言葉を聞いて首を振り、深刻な声で言った。「それは駄目だ!その龍梵音は確かに腕はあるが、心が正しくない。もし誰かに買収されて偽りの結果を出したら大変なことになる。以前にもそういうことがあったからな……だから、彼には頼まない方がいい。

ほっけじに行って、玄淨大師を訪ねなさい。少し面倒だが、ずっと確実だ。陸氏グループは毎年多額の寄付をして、菩薩の金身を建立している。お前が直接行けば、大師も顔を立ててくれるだろう!」

顏如意は頷いて言った。「分かりました。では玄淨大師に会いに行きましょう!これは小さな問題ではありませんから、どんなに面倒でも構いません。確実な方がいいですからね!」

その時、車の前席から突然「パン」という音が聞こえた。邢武が持っていた双眼鏡が手から滑り落ちたのだ。

「ご主人様、奥様!若旦那様がまた私たちに気付いたようです!まだ見張り続けましょうか?」邢武は震える声で、苦い表情で尋ねた。

何度も若旦那様と対立して、しかも現場で見つかってしまい、彼は百回死んでもおかしくないと感じていた!

陸崇山は最も気になっていたことが分かったので、もう一度遠くを見やると、寧夕が陸霆驍と別れを告げようとしているのが見えた。二人は別れる準備をしているようで、もう見続ける必要はないと判断し、「よし、帰ろう!」と言った。

「はい!」邢武はほっとして、すぐに車を発進させた。

一方、寧夕が小包子ちゃんを見送った後の最初の行動は……

間違いなく全力で逃げ出すことだった!

「あの……陸社長、他に用事がなければ、私は先に失礼します!今日はゲーム会社のCM撮影があって、この後芝芝ねえさんたちと合流しないといけないので!」

素早く言い終えると、陸霆驍の返事も待たずに逃げようとした!

そして、次の瞬間……

たった二歩走り出しただけなのに……

手首がぐっと掴まれ、突然前に進めなくなり、そして体全体が力強く温かい腕の中に引き寄せられた……

陸霆驍は少女の細い腰をしっかりと抱きしめ、耳元で低い声で囁いた。「まだ帰らないで」

寧夕は「……!!!」

頭が真っ白になった!

大魔王の……スキルがまた上がった!

前回はまだ彼女の意見を聞いてくれたのに、今回はいきなり抱きしめてきた!