第417章 罵る姿が可愛い

寧夕は急に恥ずかしくなり、慌ててヘッドセットを切った。「ごほんごほん、いつ来たの？」

さっきの罵倒している姿を全部見られたんじゃないだろうか！やってしまった！

「実は、普段ゲームをする時はこんなに短気じゃないし、人を罵ることもないんです。今日は江牧野のプレイが下手すぎて...」寧夕は責任転嫁を続けた。

陸霆驍は口角を少し上げて：「可愛いね」

陸霆驍が突然そんな言葉を発したので、寧夕は少し戸惑った。「え？何が可愛いの？」

陸霆驍：「君が罵っている姿」

寧夕：「...」

大魔王、人間性はあるの？私はもう瀕死なのに、まだ許してくれないなんて...

「夕食の準備ができたけど、先に食べに行く？」陸霆驍が尋ねた。

「うん、食べよう食べよう！」彼女は白菜が食べたかった！！！

...

階下に降りた。

寧夕はテーブルの上に野菜料理が三品と肉料理が一品、それにスープが一品あるのを見た。どれも家庭的な料理で、見た目も爽やかで食欲をそそった。しかも、本当に白菜の料理があった。

大魔王はわざとやったのかな？

「これで足りる？」陸霆驍は心配そうに尋ねた。

「足りる足りる、絶対足りますよ！」危険な発言を避けるため、寧夕は素早く料理を取り、黙々と食べ始めた。

「ゆっくり食べて」陸霆驍は彼女を見つめながら、目の奥に気づきにくい緊張の色が浮かんでいた。

寧夕はそれに気づかず、食事を続けていたが、食べているうちに何か違和感を覚えた...

「うーん...陸霆驍...」

「どうした？」陸霆驍はすぐに箸を置いて尋ねた。

寧夕は茄子を一口かじり、言葉を選びながら、「今日のお宅のシェフ、機嫌が悪かったんじゃない？」

陸霆驍は少し考えてから、確信を持って答えた。「いや、今日は機嫌がとてもよかった」

寧夕は目を瞬かせて、「じゃあ、今日の料理の出来栄えが...ちょっと普段と違うような？」

陸霆驍はその言葉を聞いて背筋が急に硬くなったが、表情は相変わらず無表情で冷静だった。「どういうこと？」

寧夕は茄子の煮物を指さして、「この茄子、明らかに塩が多すぎて...」

それから冬瓜と肉の炒め物を箸で取り、「この料理は火加減が強すぎて、肉が焦げてるし、トマトと卵の炒め物はトマトばかりで、卵がほとんど見えない...一番重要なのは、スープに塩を入れ忘れたみたい...」