第418章 美人の笑顔のために

「ああ、何回か練習したんだね。まだ初心者だけどね！褒めすぎるわけじゃないけど、初心者でこのレベルはすごいわ！このナスを見てよ、とても香ばしく作れてるわ。塩が少し多めだけど、それは些細なことよ。それにこの冬瓜と肉片も、肉は...ちょっと固めだけど、実は私、固めの方が好きなの。それからこのトマトと卵炒めは...」

「卵の殻が入っていたので、ほとんどの卵を取り除くしかなかったんです」と陸霆驍は言った。

寧夕は言葉に詰まりながら、必死に褒め続けた。「ああ、そうだったのね。それは料理に対して真面目な態度の表れよ！実は少しぐらい殻が入っても全然平気なのよ。私が料理を始めた頃なんて、卵を使うたびに必ず殻が入ってたわ！それにこのスープ、スープは本来あっさりめの方がいいものだし、一番重要なのは、この白菜！本当に素晴らしく作れてるわ！私が作るよりも美味しいわ！」

寧夕は喉が渇くほど褒め続け、ようやく陸霆驍の表情が和らいできた。「うん、これは長い間練習したんだ」

もし寧夕が今キッチンに行けば、失敗した白菜でいっぱいのゴミ箱を見ることになるだろう...

目の前の成功した一皿は、無数の白菜の犠牲の上に成り立っているのだ...

「本当に上手くできてるわ。練習を重ねればもっと上手くなるわよ！」陸霆驍の表情が和らいだのを見て、寧夕はさらに励ました。

陸霆驍は真剣な表情で彼女を見つめた。「そうするよ。君が完全に満足するまでね」

「え？私...そういう意味じゃないのよ...」完全に満足するまでって何よ？

それに、実は本当に言いたかったのは、一つの家庭で料理ができる人が一人いれば十分で、彼が学ぶ必要なんて全然ないということだった！

でも、陸霆驍のような人が、彼女のために台所に立って料理を作るなんて、このダメージは計り知れない。

瀕死状態の寧夕のHPは、この瞬間で完全に空になってしまった...

しかし、HPがゼロになってもなお、大魔王を失望させたくない彼女は、ダイエット中だったにもかかわらず、最後には全ての料理を平らげ、さらに二杯もおかわりをした。

全て食べ終わった料理を見て、夕食の始めからずっと不機嫌だった陸霆驍の顔に、ようやく笑みが浮かんだ。

寧夕は膨らんだお腹をさすりながら、密かにため息をついた。美人の笑顔を見られるなら、食べ過ぎて死んでも本望だわ...