第352章 盛大なプロポーズ

宴会が始まる前に、プロデューサー、映画監督、主人公、ヒロインなど主要なスタッフが次々と登壇し、スピーチを行った。

全員のスピーチが終わった後、司会者が再び登壇し、「本日、もうお一人の方が、この壇上をお借りして、この機会に一言お話ししたいとのことです。皆様、拍手でお迎えください！」

「おお——」

蘇衍がプロポーズするに違いないと気づき、会場は歓声と悲鳴で沸き立った。すべてのメディアが機材を構え、全員が携帯で撮影を始め、雰囲気は最高潮に達した。

寧夕の左側近くで、群衆の中の寧雪落はゆっくりと登壇する男性を興奮した表情で見つめ、その後、さりげなく寧夕の方向に嘲笑的な笑みを浮かべた。

蘇衍は今日、白いスーツを着ており、寧雪落の白いマーメイドドレスと呼応して、まるでお揃いの衣装のように見え、これ以上ないほど似合っていた。

蘇衍はマイクを手に取り、少し照れくさそうに、「すみません、少し緊張していて、落ち着かせてください。」

会場は軽く笑い、辛抱強く待っていた。

3秒の沈黙の後、蘇衍は寧雪落の方向を愛情たっぷりに見つめ、春風のように優しい声でゆっくりと口を開いた——

「雪落、5年前、初めて君に会った時、君の家の庭で、君は白いドレスを着て、天使のように美しかった。あの瞬間、僕は一目惚れした。次に会った時、君は水色の制服を着て、僕を衍にいさんと呼んでくれた。あの瞬間、僕は君に生涯を誓った。5年の間、出会いから知り合い、そして理解し合うまで、僕たちは笑いも涙も、幸せも挫折も経験した。でも良かった、ここまで来て、僕たちはまだ一緒にいる……」

女性たちはこういう場面に最も弱く、会場の多くの少女たちは涙ぐんでいた。小桃ちゃんは寧雪落に不満を持っていたが、蘇衍の告白を聞いて、心から感動していた。

そのとき、彼女は突然、隣にいる寧夕の表情が少しおかしいことに気づいた……

「夕、夕ねえさん……どうしたの？大丈夫？顔色悪いけど……どこか具合悪いの？」

寧夕は眉間を押さえ、「大丈夫よ。」

はっ、なんという一目惚れ、生涯の誓い。

蘇衍が寧雪落と知り合った頃、彼女とまだ別れてもいないのに、すぐに次の女性に一目惚れし、生涯を誓ったというわけか……

涙、挫折？

どうやら彼女が彼らの涙と挫折、真実の愛の道での躓きの石だったようね……