第362章 実はかわいい

しばらく驚いていたが、まだ多くの人が信じられなかった——

「ありえない!どこか間違っているに違いない!どうして寧夕のためなんて!彼女なんて大したことない人間なのに、こんな伝説的な人物を呼べるわけがない!」

「そうよ!フェイ・ウィリアムなら金を積めばいいけど、この二人はお金だけでは呼べない人物よ!」

「寧夕なんて三流女優が、どうやってこんな人物を呼べたの?」

……

そのとき、群衆の中から弱々しい声で誰かが注意を促した。「あの、みんな一つ忘れてることがあるんじゃない?さっき方雅が見せてくれたラブレターには、寧夕にサプライズを用意するって書いてあったけど……もしかして……これのこと?」

これを聞いて、全員が呆然となった:

「ま、まさか?」

「あいつは貧乏人じゃなかったの?」

「誰があの人を貧乏人だって決めつけたの?私たちが勝手に想像してただけでしょ?」

「今、ラブレターに書いてあった内容をよく考えてみて。最も尊い、最も魅惑的で、最も抗えないプレゼント!世界最高級の料理!完全に一致するじゃない!」

そう言われて、みんなが目から鱗が落ちたような表情を見せた。「そう言えば、本当にそうだわ!これで全て説明がつくわ……」

「うーん、今考えると、あのラブレター、実はすごく可愛かったかも!」

「確かに可愛く書かれてたわよね。なんでみんなが変だと思ったのかしら!」

……

ここまで来て、みんなが顔を見合わせた:

「えっと……そうなると、この二人の大御所は、寧夕の追っかけが寧夕のために用意したサプライズで、蘇衍が寧雪落のために用意したんじゃない?」

「うわ、これは大きな勘違いだったわね!私たちみんな蘇衍が用意したと思ってたのに!」

「あはははは……さっきまで寧雪落が嬉しそうに身を委ねて、子供まで何人も産んで、最後には寧夕を上座に招いて近くで見物させようとしたのに、結局誤解だったの?」

「うわー!すっごく恥ずかしい……」

……

老先生の言葉が終わった後、寧雪落はずっと呆然と椅子に座ったまま、爪を手のひらに食い込ませ、さっきの出来事が幻聴だったのではないかと思うほどだった。

あの嘲笑の声が耳に入ってきて、やっとこの現実を受け入れざるを得なくなり、硬直したまま隣の蘇衍の方を向いた。「衍にいさん、あの二人、本当にあなたが呼んだんじゃないの?」