第453章 愛しい妹弟子

「この愚かな弱虫め!何を間違えたというんだ!」オーガスティンは激しく怒鳴った。

その時、パソコンから突然、非常に愉快そうな低い笑い声が聞こえた。「ふふ、面白い呼び方だね……唐夜、良い夜を過ごせよ」

そう言うと、パソコンの画面が真っ暗になった。

パソコンから聞こえた男の言葉に、オーガスティンは何とも言えない不安を感じた……

目の前の黒髪の男、唐夜はSatanの右腕で、数字に極めて敏感で、組織の最も重要な会計を管理していた。周りには腕の立つ護衛がいるのに、本人は戦闘能力がないとされていた。

こんな弱虫が……今、自分の縄張りで一人きりになって……何の危険があるというのか……

しかし、唐夜が戦うところを見たことはないが、それは必ずしも彼に全く実力がないということではないのかもしれない?

くっ、たとえ多少の実力があったとしても、ここは自分の手下ばかりだ。それに、あれだけの銃が彼に向けられているのだ。まさか天下を取れるとでも思っているのか!

オーガスティンの表情はますます険しくなり、手下たちに攻撃を命じた。しかしその時、眼鏡を外した唐夜は、まるで別人のように黒い影と化し、その速さは普通の人間の限界を超えているかのようだった。まばたきする間もなく、銃口の包囲網から逃れていた。

その瞬間、オーガスティンは全身が凍りつくような寒気を感じた。言い表せない邪悪なものが、彼の体を支配したかのようだった。

次の瞬間、首の大動脈に、骨まで凍りつくような冷たい短刀が突きつけられ、その痛みでオーガスティンはより一層目が覚めた。

「通常、私を殺そうと思えば、最低でも完全武装の特殊部隊が必要だ……オーガスティンさん、あなたは唐さんを見くびっていたのか、それとも……自分を買いかぶりすぎていたのか!」眼鏡を外した唐夜の深い瞳には、病的な狂気が宿っていた。

「お、お前……唐夜、よく考えろ!私たちに逆らえば、どうなるか分かっているだろう!」オーガスティンは体を震わせ、唐夜の実力がここまでとは思いもよらなかった。

「オーガスティンさん、一つ忠告させていただきますが、ここはラスベガスです……先ほど申し上げた通り、結果というものは、あなただけが考えるべきものなのです……」