第454章 心から納得

「ご協力ありがとうございます」唐夜はそう言うと、黒服の男たちを連れて真っ直ぐバーの外へ向かった。

オーガスティンは恐怖と怒りで顔を歪め、この借りは必ず清算してやる、利子をつけて返してもらうと心に誓った！

「この下等な黄色人種め！いつか必ず、お前たちを地獄に落としてやる！」

オーガスティンの言葉が終わった瞬間、唐夜は素早く動き、手にしていたナイフを矢のように投げつけた——

「あっ！」オーガスティンは何が起きたのかわからないうちに、左耳がナイフによって切り落とされていた。

「オーガスティンさん、どうやら耳というのは、あなたにとって余計な飾りに過ぎないようですね」唐夜はそう言い残すと、満足げに立ち去った。バーの中には、悲痛な叫び声を上げ続けるオーガスティンと、床に散らばった死体だけが残された。

……

……

フィラデルフィア、ホテル内。

メッセージを送り終えた寧夕は、イライラしながら携帯を投げ出した。

相手は「それがもちろん重要なポイントだ」と返信した後、それ以上の返信はなかった。

操り人形のように誰かに操られ、常に不安な思いをしているこの感覚は、本当に最悪だった！

今回は運が良かっただけだ。次にもっと手ごわい相手に出会ったらどうなるのか？

寧夕は向かいのガラス窓越しに冷たい表情の陸霆驍を見つめ、瞳に一筋の光を宿らせた。このままではいけない……もう待ちの姿勢を続けるわけにはいかない……

物思いに耽っている時、部下の報告を真剣に聞いていた陸霆驍が突然顔を上げ、寧夕の方を見た。

寧夕はすぐに姿勢を正し、お利口さんの表情を作った。少し考えてから、白紙とペンを取り出し、大きな文字で一行書いた——［ボスさま、トイレに行ってもいいですか？良ければペンを取ってください］

書き終えると、陸霆驍の目の前で紙を振ってみせた。

陸霆驍は少女の手にある白紙に気付き、文字を読むと、ずっと冷たく引き締めていた口角が少し緩んだ。

話をしていた部下はそれを見て一瞬言葉を詰まらせ、少し戸惑った様子だった。

陸霆驍は平然と机の上の万年筆を取り、姿勢を変えながら部下に促した。「続けて」

承諾の返事を得た寧夕は、さっと走り去った。まるで小学生に戻ったみたいだ、トイレに行くのにも先生に手を挙げて許可を求めなければならないなんて……

夜の帳が下り、ようやく会議は終了した。