第497章 お母さんは愛してる、お母さんは好きよ

この大胆不敵な女が自分の警告を無視し続け、さらに汚れた手で勝手に坊ちゃんに触れようとするのを見て、陸崇山は怒りが極限に達していた。怒鳴りつけようとしたが、なぜか突然、声が出なくなった……

小包子ちゃんは既に熱で朦朧としていたが、寧夕に抱かれると、まるで本能的に抱いている人が誰かを知っているかのように、すぐに熱い小さな手で寧夕の服の裾をしっかりと掴み、熱く火照った小さな顔を寧夕の胸元に擦り寄せた。

寧夕は必死に冷静を装っていたが、坊ちゃんのこの無意識の親密な仕草に、その仮面は一瞬にして崩れ去った。その場に他の人々が大勢いたため、何とか堪えたものの、目元が僅かに赤くなってしまった……

この時、寧夕は周りの視線など全く気にしていなかった。医師たちも、怒りの目を向ける老人や奥様も、彼女の目と心は抱いている虚弱で苦しそうな小包子ちゃんだけで満ちていた。