第462章 寧夕のオーディション

李樂菱の演技が終わると、クックは初めて迷いの表情を見せた。これまでオーディションを受けた女優たちには、その場で失敗を告げ、追い返していたのだ。

クックはアシスタントと長い間相談し、最後にアシスタントが李樂菱の前に来て、丁寧な態度で「李樂菱さん、オーディションはまだ続きますが、少々外でお待ちいただけますでしょうか？」と告げた。

この言葉の意味は、あなたの演技には満足しているが、後の人にもっと良い人がいないか見てみたいということだった……

李樂菱は軽く頷いて、「もちろんです」と答えた。

ふん、後に自分より良い人がいるはずがない。このCMの起用は間違いなく自分のものだ！

残りの人々の切実な視線の中、李樂菱がついに出てきた。

彼女は実に10分も中にいて、しかも中からは古筝の演奏音だけで、クックの怒鳴り声は聞こえなかった。

李樂菱は必勝の表情を浮かべ、以前の落選者のように帰らず、席を見つけて座り、待ち続けた。

この一連の様子から明らかに、李樂菱は最終選考に進んだも同然で、おそらくすでにクックの心の中で選ばれた人になっていた。後の人々は、李樂菱を超えられなければ、全員が彼女の引き立て役にしかならないのだ。

一瞬にして、他の女優たちは動揺し始めた。特に地位の高い者たちは、明らかにこの恥をかきたくなかったが、それでもこの高級なCMを諦めきれなかった。

「次の方、十五番、準備をお願いします！」とアシスタントが外に向かって告げた。

この時、寧夕はまだ自分の世界に没頭していて、傍らの林芝芝も邪魔をせず、静かに付き添っていた。

李樂菱は寧夕が隅で人目を避けるような様子を見て、さらに得意げに「林さん、言いにくいんですけど、誰を選んでもいいのに、なぜスターライトが切り捨てた損失商品を選んだんですか！まさかこの時になっても、彼女をオーディションに参加させるつもりじゃないでしょうね？恥をかくのは林さんだけじゃなく、盛世全体の面子ですよ！」

李樂菱の言葉とともに、一瞬にして全員の視線が寧夕に注がれた。

そうだ、この最下位の子がいれば、李樂菱に比べられても、そこまでひどく見えないかもしれない。