第482章 誰かの媚力に魅了された

寧夕は一気に十着の服を選び、試着した後、どれも手放したくないほど気に入った。

最後には、思い切って全部購入することにした。

やはり、選択強迫症に対する最良の対処法は、お金があること！全部買えば、選ぶ必要がなくなる！

その中で、華國の古典的な工筆画の花鳥魚虫をテーマにしたワンピースを寧夕は最も気に入り、店員に自分の服を包んでもらい、そのワンピースをその場で着ることにした。

この大口の客に対して、店員は満面の笑みで「ご購入ありがとうございます。またのご来店をお待ちしております！」と言った。

寧夕が大小の買い物袋を持って店を出ようとした時、李樂菱を筆頭とする女優たちの一団が店に入ってくるところとばったり出くわした。そして李樂菱の隣にいる薄緑色のロングドレスを着た女性は、なんと寧雪落だった……

あの日Nobleのオーディション会場では寧雪落を見かけなかったはずだが、彼女もロサンゼルスに来ているのか？

瞬時に、店内のすべての店員と店長が慌てふためいて迎えに出て、寧雪落の方向に向かって、腰を深く曲げて恭しく「お嬢様！いらっしゃいませ！」と言った。

寧夕はそれを聞いて眉をひそめた。お嬢様？

寧夕は出口に立っていたため、入ってきた人たちは一瞬で彼女を見つけた。

李樂菱は寧夕の手にある買い物袋を見て、皮肉な笑みを浮かべ「へぇ、あなたもHistoryが好きなんだ？」と言った。

寧雪落は優雅な足取りで寧夕の前まで歩み寄り「寧夕、まさかあなたが来るとは思わなかったわ。事前に連絡してくれれば、店員に割引させたのに！」

寧夕は眉をひそめた。「……」霓裳を買収した人が寧雪落だったとは？

彼女の知る限り、寧雪落の好む服装スタイルはヨーロッパとアメリカ風で、霓裳のような華國の特色ある服装をいつも軽蔑し、俗っぽいと思っていたはずなのに、なぜ突然霓裳に投資する気になったのだろう？

寧夕は適当に応対して、店を出た。

寧夕が去った後、李樂菱は軽蔑的な表情で嘲笑い「龍袍を着たところで、田舎者の雰囲気は隠せないわね！」

「どういう意味？」ある女優が尋ねた。

李樂菱は眉を上げ「知らないの？寧夕は方曉雯と同じで、田舎の出身よ。昔は牛や羊の世話をして、鶏やアヒルを育てていたのよ！」