第526章 萌え殺しの破壊力

マスクをした女性がエレベーターから出た瞬間、先ほどまで小閻魔さまのように無表情だった若君の冷たい小さな顔が、まるで春が訪れたかのように、ピンク色の花のつぼみで満開となり、ポンポンと次々と咲き誇り、短い両腕を広げ、愛らしい表情で小さな頭を上げ、抱っこをせがむような姿勢に……

恐ろしい小閻魔さまから突然可愛らしい生き物に変わった若君を見て、ほとんどすべての社員が呆然としていた。「……」

寧夕がエレベーターを出て前に進もうとした時、頭を下げると死ぬほど可愛い小包子ちゃんがエレベーター前で待っているのを見て、もちろん抵抗できるはずもなく、すぐに身を屈めて小包子ちゃんを抱きしめ、マスク越しに頬にキスをした。「坊や、私を待っていたの?」

小包子ちゃんは小夕おばさんの首に腕を回し、小夕おばさんの香り高く安心できる匂いを嗅ぎながら、ピンク色の頬を赤らめ、唇を結んで、とても愛らしく頷いた。