第544章 私有物、ナンパ禁止、見るのも禁止

外では、パーティーはまだ続いていたが、明らかに誰もが飲み食いや楽しみに心を向けていなかった。

陸景禮は次々と静かに去っていく女性たちを見つめた。全員が今夜、陸霆驍に近づくために特別に来た令嬢たちだったが、今や一斉に尻込みしていた。

「兄さん、この手は本当に完璧だよ！ライバルを一掃しただけでなく、兄さんを狙っていた女性たちも一網打尽にしたんだから！これからは後顧の憂いもないね！」陸景禮は敬服の表情で実の兄を見つめながら言った。

この時点で、陸景禮はまだ気づいていなかった。確かに兄は心配事から解放されたが、彼自身がまもなく大変な目に遭うことになるとは……

寧夕がトイレから出てくると、熱い視線を浴びながら、真っ先に駆け寄ってきたのは小包子ちゃんだった。

小包子ちゃんの顔には明らかに五文字が書かれていた：赤ちゃん怒った！

抱っこして！

超大きなチューして！

傷ついた心を癒すために！

小夕おばさんがパパとキスしたなんて、しかも二回も！二回も！

寧夕は小さな子が何を考えているか一目で分かり、とても寛大に二回キスをして、そして小さな子を抱きしめながら陸霆驍の方へ歩いていった。

寧夕が座るや否や、ウェイターがトレイを持って近づいてきた。トレイには二杯のミルクが置かれていた。

陸霆驍は一杯を息子に渡し、もう一杯を寧夕に手渡した。その後、ソファーに気楽な姿勢で寄りかかったが、腕は寧夕の背後のソファーの背もたれに回し、所有欲たっぷりな態度を示した。

全身から発せられる雰囲気が、こんなメッセージを伝えていた——

私物につき、ナンパ禁止。

見ることすら許さない。

案の定、この作戦は効果的で、皆は一瞬にして目は鼻を見、鼻は心を見るように、お酒を飲んで雑談に興じ、もう誰も余計な視線を送ることはなかった。

大魔王が先ほど人前でキスをした一手は抜本的な解決策と言え、確かにすべての問題を解決した。今や寧夕は本当に平穏になった。

ただし、心配は避けられず、「ねえ、霆驍さん、こんな風に誤解されて...本当に大丈夫？」

陸霆驍は頷いた：「ああ、焦る必要はない。君が私の妻になる日が来れば、噂は自然と消えるさ」

寧夕：「げほげほげほげほ……」なんてこと！もしその日が来なかったら、彼は一生男性が好きだと誤解されることになるじゃない？