第548章 高級ライバル妨害装置

会社に着いた午後、陸景禮はお兄ちゃんに朝の両親との対峙について報告した。もちろん、自分がいかに巧みな話術で状況を好転させたかを強調して。

「長々と話し合ったけど、最後は不満が残る形で別れたものの、これはとても良い兆しだと思うんです。両親は今まで全く譲歩しなかったのに、今回は少し折れてくれました!お兄ちゃん、この作戦はまだ続けられると思います。あと数回やれば、もしかしたら両親は何でも承諾してくれるかもしれません~」陸景禮は、まるで自分の賢さを誇るかのような表情で言った。

陸霆驍は得意げな弟を一瞥し、ある事実を指摘するのが忍びなかった。もし両親が彼に絶望したら、陸家には息子が一人だけではないのだから、その時強制的に結婚させられるのは、きっと次男の陸景禮になるだろう。

兄弟が話している最中、オフィスのドアがノックされた。

入ってきたのは坊ちゃんで、その後ろには寧夕ではなく、宮尚澤が続いていた。

来客を見て、陸霆驍は眉をひそめた。「寧夕は?」

宮尚澤は何故かこの男性の前では常に身の毛がよだつような感覚があり、少し緊張気味に答えた。「陸社長、夕ねえさんが急用を思い出して上がってこられませんでした。約2時間後に坊ちゃんを迎えに来るとのことで、私からお伝えするようにと。」

「急用?」陸霆驍はカレンダーの日付を何気なく見て、すぐに理解した。今日は寧夕のおじいちゃんの誕生日だ。おそらく寧家に向かったのだろう。

そう考えると、陸霆驍は表情を引き締め、彼女一人で寧家に行くことが少し心配になった。しかし、2時間という短時間なら、おそらく誕生日会に参加する予定はなく、老人に挨拶して誕生日を祝うだけで帰ってくるはずだ。問題はないだろう……

その時、傍らの陸景禮が突然興味を示し、宮尚澤を上から下まで観察した。「おや、数日見ないうちに何かあったのか?君は誰だ?小夕夕ちゃんとかなり親しそうだけど?」

宮尚澤は目の前の人物が盛世エンターテインメントの社長で、寧夕の直属の上司である陸景禮だと察し、極めて丁寧に慎重に質問に答えた。「はい、私は……」